甲状腺疾患について
甲状腺は、いわゆる「喉ぼとけ」(甲状腺軟骨先端)の下側にある、重さ10~20g程度の小さな内分泌臓器で、蝶が羽根を広げたような形をしており、気管を取り囲むように位置しています。
そして、全身の新陳代謝や成長の促進にかかわるホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌しています。
女性に多い甲状腺疾患
甲状腺疾患は、女性に多く見られます。ある調査では、健康と思われる40歳以上の成人女性を対象とした健診において、20%程度の高い頻度で何らかの甲状腺疾患が見つかったという報告があります。
もちろん男性も甲状腺の病気にはなり得るのですが、圧倒的に女性のほうが多く、女性に特有の病気と言っても過言ではないでしょう。
一度は専門的な検査を
甲状腺疾患など、ホルモン分泌の異常が起こる疾患(内分泌疾患)は、心臓病や糖尿病、更年期障害、うつ病など、別の病気と間違われることが少なくありません。
そのため、内分泌疾患でないかどうかを確認するために、一度は専門的な検査をお受けになるよう、お勧めいたします。
主な甲状腺疾患
甲状腺疾患は、大きく下記の3つに分けられます。
- 甲状腺ホルモンの量が変化する疾患(バセドウ病、橋本病など)
- 甲状腺内に腫瘤ができてくる疾患
- 上記両者の合併する疾患
こんな症状は受診をお勧めします。
- 首に「腫れ」がある
- 安静にしているのに、心臓がドキドキする
- 手指が細かく震える
- 暑がりになり、水をよく飲み、汗をたくさんかく
- よく食べているのに痩せてきた
- イライラしやすくなった
- 落ち着きが無くなった
- 体が冷え、寒がりになった
- 体が重く、だるさを感じる
- 食欲が無いのに、太ってきた
- 朝起きた時に、顔や手がむくんでいる
- 便秘しやすくなった
- 昼間も眠く、居眠りをするようになった
- 脈がゆっくり、静かになった
- 月経不順になった
など